風邪(上気道炎)の症状
- 咳が出る
- 黄色い鼻水が出る
- のどが痛い
- 鼻がつまっている
- 声が出ない、出しにくい
風邪治療の当院での特徴
内科?小児科?耳鼻科?迷われたときにはご相談ください
鼻汁、咳といった上気道炎症状に発熱を伴う場合、内科・小児科・耳鼻科のどこを受診すればよいか質問されることが多くあります。 どちらの科でもよろしいですが、以下の症状があるときは耳鼻科への受診をおすすめします。
①成人の咽頭痛と声枯れの時
これらの症状の場合、咽頭の奥の下方にある喉頭を診察する必要があります。耳鼻科で一番緊急を要する急性喉頭蓋炎や声帯炎、声帯ポリープ、喉頭がんの診断が耳鼻咽喉科医なら可能です。
②小児の鼻汁・咳が長引く時
鼻汁・咳が長く続くと、中耳炎を併発する可能性があるためです。耳鼻咽喉科医であれば顕微鏡で正確に中耳炎の状態を把握し、適切な治療が可能です。
また、鼻汁が長引く場合はいわゆる蓄膿症(副鼻腔炎)になります。
鼻汁を鼻腔の奥まできちんと吸うことにより後鼻漏による咳を軽減することができます。
耳鼻咽喉科ではみみ・はな・のどといった各部位を念入りに診ていきます。全身の診察ができる内科・小児科の先生と連携し、協力しながら適切な治療に努めてまいります。

みみ
急性中耳炎
ポイント
- 3歳までの小児の80%が1度はかかる
- 鼻汁、咳といった上気道炎がきっかけとなる
- 乳児、幼児は免疫的、解剖学的な理由から中耳炎になりやすい
- 原因菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌(ウイルスではない)が多い
- これらの細菌は薬剤耐性化(抗生剤が効かない)がすすんでおり、適切な抗生剤の選択が重要
- 肺炎球菌ワクチン登場以降、重症化減少傾向
【原因】
小児は成人に比べ、免疫的に弱いことや、耳管が短く・太く・水平に近いので病原菌が中耳にいきやすく、中耳炎になりやすいと考えられています。
急性中耳炎は通常、鼻汁、咳といったウイルス性上気道炎が先行します。ウイルス感染によって鼻粘膜、鼻の奥(鼻咽腔)の粘膜の免疫バランスが崩れて、鼻咽腔に常在化していた細菌(肺炎球菌、インフルエンザ菌)の増殖がおこり、耳管経由で中耳に炎症が波及して急性中耳炎になります。
【症状】
一番多い症状は、激しい耳痛です。多くは泣くほど、寝られないほどの耳痛レベル。聞こえにくさ、発熱例(中等症以上)もあります。
【診断】
鼓膜観察で診断がつきます。できれば鼻咽腔の細菌検査も行い、原因菌が薬剤耐性菌なのかを把握することは重要です。
【治療】
抗生剤治療が基本となりますが、軽症例では抗生剤の使用は必要ありません。
中等症以上では抗生剤治療が中心となります。生後3か月で鼻咽腔には肺炎球菌、インフルエンザ菌が常在化するようになります。それらが原因菌になっていることがほとんどですので、それらに効く抗生剤を選択します。しかし、薬剤耐性化がすすんでおり、難治例もあるため、その際は鼓膜切開して排膿する場合があります。特に高熱を合併している場合、早い段階でおこないます。
注意点として、耳痛が軽快すると中耳炎が治ったと思い、受診されなくなる場合があります。しかし、耳痛がなくても中耳炎は治っていない場合があります。それは中耳にまだ貯留液が残っており、滲出性中耳炎になっている状態です。滲出性中耳炎では耳痛はありませんが、聞こえにくい状態です。小児は聞こえにくいと訴えることは少ないので、治りきるまでしっかりと治療しましょう。
なお、泣くほど、寝られないほどの激しい痛みを訴える場合、応急処置としてカロナールが有効ですので、カロナールを少しストックしておくといいかもしれません。
成人も頻度は少ないですが、感冒時に急性中耳炎になることがあります。成人急性中耳炎は小児と違って、中耳炎から内耳炎(めまい、耳鳴、難聴)に波及することがありますので、早めの受診が重要です。
滲出性中耳炎
ポイント
- 小児では80-90%が就学前に一度はかかる。小児の難聴の原因として最も多い
- 急性中耳炎から移行することが50%。ほかは鼻汁、咳といった上気道炎、アレルギー性鼻炎、アデノイド増殖症によることが多いので、それらの治療が重要
- 多くは保存的治療(薬の治療)で治るが、なかには3か月たっても治らない難治例もあり
- 長期化すると小児では難聴による言葉の発達に影響する例もあるため、授業・勉強が始まる小学生までには治療を完了しておくことが望ましい
【原因】
急性中耳炎のあとに滲出性中耳炎になることが多くあります。中耳にたまった膿は炎症がおさまってくると滲出液に代わり、やがてそれは中耳粘膜に吸収されたり、耳管から鼻咽腔に排泄され治っていきます。しかし、耳管の働きの低下、中耳粘膜の腫れがあると、滲出液が消失せず、中耳に残ったままになることがあります。また急性中耳炎にならなくても、鼻汁、咽頭炎、咳といった上気道炎、アレルギー性鼻炎、鼻の突き当りのアデノイド増殖(アデノイドが大きいと炎症が起こりやすくなる)により、滲出性中耳炎になることもあります。
耳と鼻は耳管という管でつながっていますが、気圧の調整をおこなっています。耳管がうまく働かないと、中耳の粘膜からしみ出てきた滲出液が中耳腔にたまってきます。
鼻すすりの習慣があると、耳管の換気(空気を鼻→中耳に送る)・排泄(中耳腔→鼻に病原菌や貯留液を排泄)機能が悪くなり中耳炎になりやすくなるため、鼻をかむこと、鼻すすりをしないことが重要です。
またダウン症児、口蓋裂児では高率に滲出性中耳炎を合併しやすく治りにくいので、鼓膜チューブ挿入に至る例が多くあります。
【症状】
急性中耳炎のような痛みはなく、聞こえにくいことが主な症状です。痛みや熱が出ないため気づきにくいことがあります。子供は“聞こえにくい”と言わないことが多く、“テレビやゲームの音が大きくなる”、“呼びかけても返事をしない”などで気付くことがあります。
【診断】
鼓膜を見ると鼓膜を通して滲出液を観察できます。聴力検査、ティンパノメトリー(鼓膜の動きを見る検査)で中耳炎の程度がわかります。
【治療】
約70-80%は上気道炎やアレルギー性鼻炎の治療で治りますが、なかには3か月たっても治らない例があり、そういった難治例は鼓膜チューブ挿入術やアデノイド切除といった外科治療が必要となります。
【成人滲出性中耳炎】
成人例も感冒後に中耳炎になることがありますが、上咽頭(鼻の突き当り)癌が原因となることがあるため、鼻咽腔ファイバーでの確認が重要です。
高齢者では耳管の加齢変化による狭窄(狭くなる)が原因で中耳炎になるため、鼻から中耳に空気を送る耳管通気で治療します。難治例は鼓膜チューブを挿入します。
鼓膜チューブとは
鼓膜チューブとは、難治例の中耳炎に対しておこなう治療です。
鼓膜の一部を切開し穴を開け、中耳腔の貯留液を吸引し、その穴に鼓膜チューブを挿入します。鼓膜に穴が開いておりますが、難聴にはなりません。むしろ中耳炎時より聞こえはよくなります。
鼓膜チューブは1年半~2年くらい挿入しておきます。やがて中耳腔の粘膜や耳管が正常機能に回復し、中耳炎が治りやすくなり、再発しにくくなります。
チューブ挿入以降は、1回/1~2か月の定期的通院フォローとなります。耳に水が入るとそれが原因で耳漏が出たりするため、入浴時は注意が必要です。
鼓膜チューブは自然に抜けることもありますが、1年半~2年後に抜去します。
抜去後は、鼓膜は自然に閉鎖しますが、少数ですが鼓膜に穴が残る例があります。その場合は、鼓膜閉鎖術をおこないます。
また習い事の水泳ですが、耳栓をすれば水泳教室を許可する意見もありますが、水が耳に入ることが原因で耳漏に至る確率が高くなるため、個人的にはお勧めしません。
夏の期間はシーズンスポーツとして耳栓をして(潜らない)、水泳を楽しむことはよいと思います。小児期の運動は大切なので、体操などのスポーツをおすすめします。
なお保育園での水浴びはかまいません。
慢性中耳炎
ポイント
- 鼓膜穿孔、耳漏、難聴が特徴
- 近年は抗生剤の発展により慢性中耳炎は減少傾向
【原因】
幼少期の中耳炎が治りきらず、いつの間にか鼓膜に穴が開きっぱなしの状態になり、慢性化した状態。昭和時代前半、有効な抗生剤が少なかったり、また十分な治療を受けられなかった事で、結果として鼓膜穿孔を生じた方が多くいました。中耳腔の炎症は慢性化しているため、普段は耳漏がなく難聴だけですが、感冒時、水が耳に入る、免疫低下などの状況下では耳漏が出てくるようになります(慢性中耳炎急性増悪)。
【症状】
難聴、耳漏
【診断】
鼓膜観察で診断します。細菌検査で原因菌を調べます。
【治療】
治療は抗生剤の点耳液による局所治療や、抗生剤内服となります。
可能であれば聴力改善、耳漏停止を目的とした鼓膜をふさぐ手術(鼓膜形成術、鼓室形成術)をして鼓膜閉鎖しておくと、後々快適に過ごせるようになります。
真珠腫性中耳炎
ポイント
- 幼少期の中耳炎の関与が疑わしいが、まだはっきりと解明されていない
- 稀に先天性真珠腫がある
- 基本は手術治療
- 再発しやすいので長期にわたるフォローが重要
【原因】
真珠腫性中耳炎になった多くは、幼少期に中耳炎を繰り返していた事が多いのですが、一方で中耳炎の既往があまりなくても真珠腫に至るケースがあり、一元的な原因ではなく複雑です。鼓膜や外耳道の皮膚の一部が鼓膜の奥の中耳に侵入し、落屑物(真珠色の白い垢)が溜まりながら大きくなって、骨破壊や感染をきたすようになります。
【症状】
初期は症状がなく気が付かないこともあります。進行すると中耳、内耳の破壊により耳漏、耳痛、めまい、難聴、顔面神経麻痺をおこします。
【治療】
基本は手術治療が必要となります。
手術しても再発することが多いので、しばらくはかかりつけ医、手術をした病院でのフォローが必要となります。
好酸球性中耳炎
喘息や、好酸球性副鼻腔炎との関連性が強い中耳炎で、中耳にニカワ状の貯留液が溜まり難聴、耳閉感を生じます。滲出性中耳炎と違って、鼓膜チューブ挿入でもコントロール困難で、ステロイド剤の鼓室(中耳)内投与や全身投与が治療の中心となります。難治性で感音難聴が進行し、聾(全く聞こえなくなる難聴)するケースがあるため注意が必要です。
小児急性乳様突起炎
小児急性乳様突起炎は急性中耳炎の合併症として中耳の奥の乳突洞、乳突蜂巣まで炎症が波及し、耳後部が腫れて耳介が立ち上がったようになります。激しい耳痛、耳漏、高熱が続き、抗生剤点滴、鼓膜切開、鼓膜チューブ挿入でも治らなければ、手術治療が必要となります。通常は入院治療となります。発熱、不機嫌、耳後部が腫れたら要注意です。すぐに耳鼻科を受診しましょう。
良性発作性頭位めまい症
めまいの原因疾患として最も多く、特定の頭位や頭位変換により誘発される発作性のめまいが特徴。耳石器にある耳石の一部がはがれて半規管に迷入することで生じます。
中高年の女性に好発します。また同じ頭位で寝ている(寝返りが少ない)場合に生じやすいことが知られています。
めまいは数十秒~数分程度でおさまることが多く、ほかの神経症状、耳鳴や難聴は伴うことはありません。治療は薬物療法やリハビリが中心となります。
前庭神経炎
突然発症する激しいめまいで、数日間続くことが多くあります。それにともなって嘔気、嘔吐をともなうことが多くあります。聴力悪化、耳鳴やほかの神経症状を伴うことはありません。感冒後に起こることが多いため、ウイルス感染の関与が疑われていますが、感冒症状がはっきりしないこともあります。
初めは激しいめまいであることが多く、入院治療となる場合もあります。
数日経過すると激しいめまいはなくなりますが、歩行時のふらつき、動作時のふわふわ感はしばらく続きます。
内服治療や点滴といった薬物治療が中心となります。
耳管機能障害
ポイント
- 耳管機能障害は滲出性中耳炎、真珠腫性中耳炎などの中耳疾患と関連あり
- 耳管狭窄と耳管開放は混在することがあり、診断が難しいことがある
耳管は鼻の奥と中耳腔をつなぐ3.5㎠位の細い管で、耳管は通常は閉じており、嚥下時に開くことで中耳腔が大気圧と等しくなるように調節されています。この機能が障害された状態が耳管機能障害で、耳管狭窄、耳管開放と分けられます。
耳管狭窄は耳が詰まった症状。感冒、鼻副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎が原因となることが多いですが、成人の場合、上咽頭腫瘍が原因となりえます。原因となっている病態の治療が中心で、耳管通気(鼻から耳管に空気を通す治療)もおこないます。
耳管開放は通常閉鎖している耳管が常に開きっぱなしとなり、耳が詰まった感じ、自分の声が響くといった不快な症状が中心です。重症例では自分の呼吸音が聞こえる場合があります。
原因としては体重減少、妊娠、ピル、加齢、運動が挙げられます。
鼻すすりにより耳管開放が改善され、耳のボワンとした耳閉感が軽快することを自然に学習する方もいます。
立位、坐位で生じていた症状が前かがみ、寝た状態で改善することが多く、診断に重要な特徴です。治療は生理食塩水点鼻や漢方(加味帰脾湯など)治療となります。重症例では耳管ピンという管を耳管に挿入する治療もあります。
顔面神経麻痺
特発性顔面神経麻痺やHunt症候群が代表的です。特発性顔面神経麻痺(Bell麻痺)のほうが多く、単純ヘルペスウイルスが原因とされています。突然の顔面神経麻痺がおこり、患側の舌の味覚障害もおこりえます。治療はステロイド、抗ウイルス薬が中心となります。一般的に早期に治療すれば予後良好とされています。
Hunt症候群は帯状疱疹ウイルスが原因で、患側の耳介、外耳に帯状疱疹がおこり、激しい耳痛、めまい、耳鳴、難聴といった内耳障害も生じます。予後不良例も多く、早期の治療が重要です。
ウイルス性難聴
ウイルス性難聴は出生前発症、出生後発症に大別されます。
出生前に生じるウイルス性難聴の原因として風疹、サイトメガロウイルスがあり、出生後発症では、ムンプス(おたふく)や麻疹があります。
風疹に罹患したことがない女性が妊娠初期に風疹に罹患すると、出生児に難聴が生じることがあり、両耳高度な難聴になることが多いため、ワクチンによる予防が重要です。
パートナーの男性も風疹の既往があるかチェックもしましょう。
ムンプス(おたふく)による難聴は重度な難聴になることが多く、回復することはほとんどありません。ワクチン接種が重要で、2回接種するとムンプス予防効果が高くなり、難聴のリスクが減ります。
お子様
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは、主に乳幼児(1〜5歳頃)に多く見られる夏の流行性ウイルス感染症(夏風邪の一種)です。
【原因】
コクサッキーウイルスA群が一般的。
飛沫感染(くしゃみや咳)、接触感染(タオルの共有、便からの経口感染)が主の感染経路。
【症状】
急な高熱で38〜40℃程度の熱が2~4日程度続きます。
口蓋垂の両側に限局して1-2mmの小水疱、それが破れて潰瘍化することもあり、咽頭発赤も伴い、食事が摂りにくくなります。1週間程度で軽快します。
【治療】
ウイルス性疾患であり、特効薬はないため、解熱鎮痛剤などで症状を和らげる「対症療法」が中心となります。
口内の痛みから食事、水分補給を嫌がり、脱水を起こしやすくなるので注意が必要。
刺激の少ないぬるい飲み物や、のどごしの良い食べ物(冷やしうどん、ぬるいスープ、プリン、ゼリー、溶けたアイスクリーム等)がよいでしょう。
手足口病
手足口病は、主に5歳以下の乳幼児を中心に夏季に流行するウイルスの感染症(夏風邪の一種)です。
【原因】
コクサッキーウイルスA、B、エンテロウイルス71(EV71)など
感染経路:飛沫感染(くしゃみや咳)、接触感染(タオルの共有)、便からの経口感染。
【症状】
発疹、口内粘膜疹が特徴で、手のひら、足の裏、口の中(舌や頬の粘膜)を中心に、3〜5mm程度の小水疱(水ぶくれ)や赤い斑点ができます。ひじ、ひざ、お尻などに広がることもあります。
口の中の水疱が破れると強い痛みを伴い、飲食が困難になることがあります。
発熱頻度は10-30%くらいで、多くは37〜38℃程度で高熱にならないことが一般的です。
※爪の脱落に注意:回復後、数週間〜1か月ほど経ってから爪がはがれる症状が出ることがありますが、一時的なもので自然に新しい爪が生えてきます。
【治療】
特別な治療薬はないため、症状に応じた治療を行ないます。
口の中が痛むため、口内の痛みから食事、水分補給を嫌がり、脱水を起こしやすくなるので注意が必要です。
刺激の少ないぬるい飲み物や、のどごしの良い食べ物(冷やしうどん、ぬるいスープ、プリン、ゼリー、溶けたアイスクリーム等)がお勧めです。
通常は3〜7日程度で自然に軽快します。
※稀に髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こすことがあるため、高熱が続く、何度も吐く、呼びかけに応じないなどの症状が見られた場合はすぐに医療機関を受診してください。
溶連菌
溶連菌(ようれんきん)感染症は、主に「A群β溶血性連鎖球菌」という細菌によって引き起こされる感染症です。ウイルス性疾患ではなく、細菌感染であるため、適切な抗菌薬(抗生剤)での治療が必要です。
【原因菌、感染経路】
A群β溶血性連鎖球菌(主に3〜15歳くらいの子供に多く発症します)。
飛沫感染(咳やくしゃみ)、接触感染(タオルの共有など)、食事の共有、食器、コップの共有が感染経路である。
【症状】
38℃以上の発熱、咽頭痛が現れます。のどが真っ赤に腫れ、白みがかかった膿(苔)がつくことがあります。ただし、発熱しない場合もあります。
舌の表面に赤いブツブツができ、イチゴのようになる特徴的な症状が出ます。
体や手足に細かい赤い発疹が出ることがあり、痒みを伴う場合もあります。
頭痛、腹痛、嘔吐などを伴うことがありますが、一般的な風邪と違って咳や鼻水が出にくいのが特徴です。
【治療】
主な治療はペニシリン系抗生剤を10日間内服する。症状が楽になっても自己判断でやめず、医師に指示された期間はしっかり飲み切ることが大切です。
途中で服薬をやめると、急性腎炎やリウマチ熱といった重大な合併症を引き起こす恐れがあります。
のどの痛みが強い時期は、刺激物や熱いものを避け、うどん、雑炊、ゼリーなど柔らかくのどごしの良い食事を与え、こまめに水分補給を行いましょう。
●登校・登園の目安
適切な抗菌薬の服用を開始してから24時間以上が経過し、熱が下がって全身状態が良ければ登校・登園が可能となるのが一般的です(医師の診察に従ってください)。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という細菌の一種に感染することで起こる呼吸器感染症です。乳幼児よりも、学童期や青年期(5〜15歳頃)の子供や若年成人に多く見られます。他病原菌による肺炎に比べ、比較的軽症例も多いため、かつては“歩いて帰れる肺炎”と言われていました。しかし、一部は脳炎、脳症などの合併症で重症化することもあるため、注意が必要です。
日本では、かつてはオリンピックの年に4年毎の流行を1988年まで認めていましたが、クラリスロマイシン販売以降、大きな流行は目立たなくなりました。しかし、2010年頃以降、マクロライド耐性菌の増加傾向を認めるようになり、近年では50-90%以上がすでにマクロライド耐性といわれているため、適切な抗生剤の使用が重要です。
【原因】
肺炎マイコプラズマ(細胞壁を持たない特殊な細菌)が原因菌で、飛沫感染(咳やくしゃみ)、接触感染で感染します。学校や家庭内など、距離が近い環境で濃厚接触することにより感染が広がります。潜伏期間が2〜3週間と長いため、忘れた頃に家族へ感染することがあります。
【症状】
初発症状は発熱、頭痛、倦怠感、咽頭痛などで、数日してから乾いた咳が続きます。
熱が下がった後も、3〜4週間近く咳が長く続くという特徴があります。
稀に重篤な脳炎、脳症などの重篤な合併症も併存することもあります。
【治療】
第一選択薬としてマクロライド系抗生剤が使われますが、近年マクロライド耐性菌の増加傾向があり、その場合は別の種類の抗生剤(テトラサイクリン系やニューキノロン系など)に変更して治療します。これらの抗生剤には副作用もあるため、適切な選択を要します。
ワクチン・予防接種
フルミスト
フルミストは鼻に噴霧するインフルエンザワクチン(生ワクチン)で、インフルエンザウィルスを弱毒化した製材です。従来の注射ワクチンに比べ、発症予防効果が高いとされています。
注射ではないため、子供にとっては負担が少ないと思われます。
当院におけるいくつか確認事項があるため、ご確認ください。
(母子手帳は必ずお持ちください。)
●接種可能な年齢
3~18歳
●費用、回数
7500円、1回接種
●接種できない方
・明らかな発熱(37.5℃以上)がある方
・重度な急性疾患にかかっている方
・本剤の成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある方
・免疫不全状態、免疫抑制剤治療中、ステロイド治療中、無脾症、人工内耳を受けている方
・妊娠している、授乳している方
・喘息のコントロールが難しく、重度とされている方、1 年以内に喘鳴、喘息発作があった方
・卵やゼラチンでアナフィラキシーショックを起こした方、重度な卵アレルギー、鶏肉アレルギー、ゼラチンアレルギーがある方
・サリチル酸(アスピリン)、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸内服中の方
●副反応について
・インフルエンザにかかった時のような症状(発熱、頭痛、関節痛、鼻水、鼻閉、咳、のどの痛みなど)を認めることがあります。
●注意事項
接種後 2 週間程度は免疫の低下している方との接触はお控えください
接種後 2 週間はインフルエンザの検査をしても陽性になります。